作(ざく)
2016年5月に三重県志摩観光ホテルで各国の首脳が集まるG7サミットが開催された。
全国的にはそれほど大きく放送されていないが、三重県内では大変な盛り上がりをみせていてた。
ある日の昼食では地元高校生が料理からサービスまで担いファーストレディーをもてなした事や三重県知事が緊張した面持ちでお迎えに上がった事など連日のように放送されていた。
志摩に住む地元住民たちは以上とも言えるセキュリティーチェックに戸惑い、現場は騒然としていたが、その後の観光業は潤いを見せていた。
三重県でおもてなしをすると言えば、伊勢神宮、松坂牛、伊勢エビがトップ3にあげられるが、30ヶ所以上ある酒蔵もまた三重県の隠れた名産と言える。
G 7サミットでは3つのお酒が選ばれた。
「半蔵」「瀧自慢」と「作(ざく)」である。
私はどれも呑んだ事があるが、この中で1番記憶に残っているのが「作(ざく)」だ。
そもそもこのお酒はある一部の層に人気があった。
それは名前の通りガンダムファンから絶大な支持を受け、全国に発送する機会も少なくはなかった。
「鈴鹿川」と「作」の2枚看板を持つこの酒蔵は新商品を次々と出しているイケイケ酒造である。
私が「作」を知った頃は
雅乃智(みやびのとも)
奏之智(かなでのとも)
恵乃智(めぐみのとも)
穂乃智(ほのとも)
くらいの種類だったが今では酒造元も拡大してさらに多くの「作」が出来ているらしい。きっとこれも数年前に酒蔵から聞いた話しだから、今は尚更だろう。
「獺祭」のように世界中に売り出そうと考えているのかもしれない。
売り出す事は構わないが肝心の味わいを損わないように願うばかりである。
ちなみにG 7サミットで出されたのは「智(さとり)」という最高級品だったが、私のお酒の楽しみ方はいつでもそこにあるような、もっと身近な楽しみなので、わざわざ最高級を買ったりしない。もちろん頂けるなら遠慮なく頂くが自分で買ってまで、という訳だ。
私が呑んだ「悦乃智(えつのとも)」はどうやら限定品だったらしく、今は販売していないが、オススメするとすれば自分で飲むなら「恵乃智(めぐみのとも)」誰かと一緒に、もしくは送るなら「奏之智(かなでのとも)」が良いだろう。
もしくは各国の首脳になった気分を味わえるように「智(さとり)」を開いてもいいだろう。
ピーロートブルー
数年前の一時期、ワインが送られてくる定期便というのをお願いしていました。
1200本の中から毎月3本送られてきます。
どんなワインが来るかわからないので、全て来てからのお楽しみ。
私はこれまでに相当な数のワインを飲んだが、どうもワインというのは奥が深く、結局のところ「どれがこうで美味しかった」と言える物は数本しかないのです。
つまり、印象に残っている数本の中でもこの1本をおすすめします。
「ピーロートブルー」はピーロートジャパンのオリジナルで白ワインが主です。
フルーティーな味わいでうんぬんかんぬん..と飲んだ時は色々と言っていた気がするが、やはりどうもワインというのは、それ単体で成り立っているのでは無くて、一緒に楽しむ料理次第な気がします。
ピッツァ、チーズ、生ハム、オリーブなどはどのワインにも合うので王道ですが、私の場合は手巻き寿司、ケンタッキー、焼き鳥などを組み合わせる事が多いですね。
赤い料理は赤ワイン、白い料理は白ワインと言われています。
そんな色の組み合わせで食卓を彩るのもワインを楽しむ一つではないでしょうか。
この時代に生まれた黄金レシピは手巻き寿司の具材にアボカドと伊賀越漬けの組み合わせです。
伊賀越漬けは白瓜の中に大葉などが刻んで入っているお漬物です。それを輪切りにしてアボカドとともに手巻き寿司にすれば美味しい。絶対美味しいです。
残念ながら単品で伊賀越漬けは三重県のスーパー(イオン系列)でしか買えないので、ぜひ三重県の方は試して頂きたい。
そう、ピーロートブルーの白ワインとともに。
百春(ひゃくしゅん)純米吟醸
岐阜県美濃市に「うだつの上がる町並み」と呼ばれる歴史地区がある。
秋は伝統美濃和紙を使った灯りアートで幻想的に輝く。
そもそも「うだつ」とは屋根の瓦の事で、昔何か商売などで成功した家が屋根に特別な瓦を付けて「成功者の証」を見せた事がきっかけとなった。よって「うだつの上がるいい男」なんて言われれば、それは良い褒め言葉として根付いているのだ。
歴史地区に数件それがあり、「百春」で知られる小坂酒造の屋根にもまた「うだつ」が上がっている。
ゆうに200年は超える建築に趣きあるかまえが、私の中の記憶の残る酒蔵として君臨し続ける。
この町並みを歩き、小坂酒造を見つけたならば、それはまた喜びの上に味も格別だろうと思うが、私からおすすめするのは、まずはここの純米吟醸を呑んで頂きたい。
喉をスーッと洗い流してくれるような口当たりが特徴でどんな料理にも合う。
私は少し癖のある甘口の日本酒が好みだが、百春のような良い酒に出会うと、あれ?やっぱりコッチの方が好みだったかも?と思ってしまう。
結局の所は美味い酒が好みであり、それが甘口であろうと辛口であろうと、どちらでも良いのだ。
数多くある日本酒の中で、美味い酒に出会ってしまったのだから。
残念、ではまずこれを呑んで頂いて気に入ったならば、美濃に直接行けば良いと思う。
坤滴(こんてき)
京都伏見の酒蔵、東山酒造の坤滴(こんてき)は美味い!
「今まで飲んだ中でどれが美味しかったか?」と聞かれると一つか二つ、頭に浮かんでくるのがこのお酒である。
特に常温で飲めば確実に美味い。
とろけるような口触り、格別としか言いようのない話しだが、今やそれがamazonで買えるとなれば「これ、飲んでみて」と親しい人に伝えたくなるのも格別と言える。
京都伏見はカッパッパーでお馴染みの黄桜を筆頭に月桂冠、松竹梅など20数ヶ所の酒蔵がある。酒蔵小町などには観光客も多い。
それならば観光のついでに坤滴(こんてき)を買おうと思っても、東山酒蔵の見学が出来ない為に現地で売っているところを見つける事が困難と言える。
運が良ければ黄桜酒蔵のお土産コーナーに置いてあるが、何よりも確実なのはやはり、ネット販売と言える。
まぁそれとは別に酒粕の香りに誘われながら
酒蔵の杉玉が緑色した新酒の頃に訪れてみるのもまた良いだろう。