百春(ひゃくしゅん)純米吟醸
岐阜県美濃市に「うだつの上がる町並み」と呼ばれる歴史地区がある。
秋は伝統美濃和紙を使った灯りアートで幻想的に輝く。
そもそも「うだつ」とは屋根の瓦の事で、昔何か商売などで成功した家が屋根に特別な瓦を付けて「成功者の証」を見せた事がきっかけとなった。よって「うだつの上がるいい男」なんて言われれば、それは良い褒め言葉として根付いているのだ。
歴史地区に数件それがあり、「百春」で知られる小坂酒造の屋根にもまた「うだつ」が上がっている。
ゆうに200年は超える建築に趣きあるかまえが、私の中の記憶の残る酒蔵として君臨し続ける。
この町並みを歩き、小坂酒造を見つけたならば、それはまた喜びの上に味も格別だろうと思うが、私からおすすめするのは、まずはここの純米吟醸を呑んで頂きたい。
喉をスーッと洗い流してくれるような口当たりが特徴でどんな料理にも合う。
私は少し癖のある甘口の日本酒が好みだが、百春のような良い酒に出会うと、あれ?やっぱりコッチの方が好みだったかも?と思ってしまう。
結局の所は美味い酒が好みであり、それが甘口であろうと辛口であろうと、どちらでも良いのだ。
数多くある日本酒の中で、美味い酒に出会ってしまったのだから。
残念、ではまずこれを呑んで頂いて気に入ったならば、美濃に直接行けば良いと思う。